中村正義「顔」
反骨の画家・中村正義(なかむらまさよし:1924(大正13)-1977(昭和52))の作品。
川崎市麻生区には、中村の自宅を改装した「中村正義美術館」があります。
かつて麻生区に住んでいたとき、近所だったこの美術館を訪れ、中村作品と出会いました。
日本画家としての画業の傍ら、長く闘病生活を続けてきた中村は、
つねに自己と向き合い、内面の葛藤を作品に力強く表してきました。
その代表作が、一連の「顔」作品で、およそ300もの顔を描いたとされています。
この絵もそうしたシリーズの一つです。
繰り返し、ときには執拗なまでに「自分を見つめる」ことにこだわり続けた姿勢に共感を覚え、
コレクションに加えました。
(2009.10.1)